ルーン美術館

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231216(土) 神保町よしもとお笑いライブ/レポ

 2年ほど前からYouTubeで「板橋ハウス」の動画を継続して観ている。

 

 知らない方のためにざっくり説明すると、 「板橋ハウス」とは、ルームシェアをしているお笑い芸人の3人が、シェアハウスで繰り広げられる日常を投稿しているチャンネルだ。

 

 通知と共に動画を開くほど、私が最近熱を上げているチャンネルである。その熱で、今回は彼らの本業を観に行こうと思った。画面越しでも面白いのだから、生で見ればもっと面白いに違いないと思って。
 前売りチケット2,000円という手頃な価格帯も、決心した理由のひとつである。


 「板橋ハウス」の3人はそれぞれの相方とコンビを組んでいるので、3組揃って出演している回を探した。
 16日当日、チケットを鞄に忍ばせ神保町駅で下車。すずらん通りを抜け、人生初のお笑いライブへ、いざ、よしもと漫才劇場へと足を踏み入れた。なかなかスタイリッシュな建物でカッコよかった。

 

 


 ここからがライブのレポートになる。出演は全14組、かなり濃厚な時間だったが、そのなかでも特に印象に残ったコンビをネタバレはさけつつピックアップする。もちろん、めぞん/軟水/ピュート(「板橋ハウス」の3人がそれぞれ所属しているコンビ)は言わずもがな。

 


 レポートをする前に、参考として私がどの程度の階層、知識量で訪れたのかをメモ。

 

・17歳

・お笑いライブは人生で初めて

・出演者はコンビ名でさえほとんど知らない状態(「板橋ハウス」が所属するコンビは多少ネタを観たことがある程度)

 


 客席は満員御礼、私が観たのは最終公演で、なんと1公演目からすべて出席しているお客さんもいるらしい。そういう楽しみ方もあるんだ!と思った。

 

 

 

●ゆかいな議事録

 政治ネタをしているらしく、この前、中国に触れた漫才をしたとき中国で少し炎上したと言っていた。客席が満席ではないときは、当日券を買って中国人の抗議デモ客がやってくるらしい。「今日は前売りで全席完売したのでデモ団体が来ません!ありがとう!」といわれたのは笑った。
 どのくらいの政治ネタなのかと思えば、最初から最後までたっぷり政治の話だった。
 名前も知らない人たちと政治の話をされて同じように笑うという体験は、選挙権を持たない身としてはかなり新鮮だった。高校生にとって、政治は「試験科目」である側面が強いので。

 


●めぞん

 生で吉野を見て最初に思ったことは「思ったより大きいな」だった。私がYouTubeで吉野を見るとき、それは竹内やすみ視点から見た吉野なので、そう思ったのだと思う。客席から見る「板橋ハウス」は、3人とも共通して想像より大きかった。
 あと、動画で観たときの吉野はかなり印象深い髪型をしていると思っていたのだが、これが実際見てみるとそこまでおかしくない。

 

 見た目の話はこれくらいにするとして、コントの内容も私はかなり好きだった。テンポ感も良いし、私が知らないだけの可能性はあるとしても、早口のボケというのはユニークだと思う。女性をネタにしているのに、客席の女性も私も笑えるネタなのもすごいなと思った。

 


●軟水

 この日、感覚的に面白いと思ったいちばんのグループが軟水だった。あんなネタ、生活のどのタイミングで思いつくんだろう、と心底尊敬した。あれを笑わない人はいないと思う。
 家に帰って、ネタを家族に話すくらい面白かった。私がネタを説明するだけで笑いが起きたのだから、生で見た迫力と勢いといえばとんでもなかった。
 なにかの動画(YouTube)で、すみは「俺は愛嬌で生きてきた」(ニュアンス)と発言していたと思うが、まさにすみは愛嬌のある人だった。年下がこんなこと言って良いのかわからないけど。失礼だったらすみません。

 


エバース

 軟水が感覚的な面白さであるならば、エバースは論理的な面白さだった。
 私は納得感があって日本語を巧みに使う面白さが大好きなので、私はこの日エバースがいちばん好きだなと思った。
 ただこの面白さを伝えようと思っても、私が話したくらいでは少しも良さが伝わらないので、やはり喋りを職業としている人の伝え方というのは洗練されているのだろう。

 


●ピュート

 ピュートのコント、終始「竹内のツッコミだ〜」と感じるほど竹内節にあふれていた。
 「喋りを職業としている人の伝え方というのは洗練されている」と書いたが、これは話しているときに限った話ではなく、会話の間の置き方、ステージの雰囲気、そのときステージの上にあるものすべてを指す。間の置き方なんて、毎回コントを観ているお客さんは違うのに、どうしたらあんなに完璧な時間の置き方ができるのだろう。ステージと客席が一体化しているのを感じたコントだった。

 


世間知らズ

 テレビでお笑いを観ていると、どうしても「面白いかどうか(funnyという意味の面白さ)」という点にだけフォーカスしてしまう。生で観るお笑いは、ステージ上にいる芸人さんたちの人間味を感じられるので、単純な面白さ以外でも笑いが起こった。
 そこにいる人たちの愛くるしさ、劇場を包む雰囲気の楽しさ、共感だったり情けなさだったり、おかしさ以外の理由でも私たち観客は笑うことがある。
 長々と書いたが、世間知らズはそうした色々な種類の笑いにいちばん溢れた漫才だったな、と振り返って思った。

 

 

 今回はひとりで行ったので緊張していたが、同じようにひとりで来ているお客さんが多くて安心した。


 初めてのお笑いライブ、想像よりもずっと笑ったし、かなり楽しかった!!!また行きたい。